これに乗るべきか次を待つべきか
懐かしいと思った刹那、頭は過去へワープして思い出を掘り返し今の感情へと繋ぐ。
自分だけならいい、もう辿ることはなくて脈だって止まらないから。問題は滑り込んだ挙句、相手の笑顔を自分の涙に替えるからダメなんだ。
彼女の喜びは私の悲しみで、私の喜びは彼女の悲しみ。彼女の悲しみは私の喜びで、私の悲しみは彼女の喜び。
そうやってお互い抜け出せないままだと思っていたけど、いつの間にかもう、いなかったね。
馬鹿なふりをしている彼女は頭が良い。本当に馬鹿なわたしはそれを傍観する。
ひとりで立てるなら、もう、必要はない。松葉杖になったんじゃない。延々と続いていく輪の中で、また次の順番が来るのを待つのは嫌だ。
味を覚えるように、一度でも触れたらもう元には戻れないんだろうか。